歯周病を知ろう!

「歯周病」は歯を失う原因として、虫歯よりも多いことをご存じですか? そんな歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)です。プラークに潜む歯周病菌が増えると、歯ぐきに炎症を起こし、だんだんと顎の骨を溶かし、最終的に歯が抜け落ちてしまうのです。

歯周病は、気が付いたときにはかなり進行している可能性があります。違和感に気づいたらすぐにご相談ください。

全身への悪影響

最近では、歯周病が原因で全身に悪影響がおよぶことがわかってきました。歯周病菌が血管に入り込むことで全身へと運ばれ、「糖尿病」「心筋梗塞」「脳梗塞」「肺炎」「骨粗鬆症」などを引き起こす可能性があるといわれています。

また、妊娠中の方は要注意。歯周病によって「早産」や「低体重児出産」を引き起こす可能性があり、危険性が指摘されています。女性ホルモンの関係で妊娠中は特に歯周病にかかりやすくなっており、今や喫煙や飲酒よりも大きな原因といわれているのです。

なお、お口の健康に問題がある場合は、「妊娠性腫瘍」などのトラブルに見舞われることがあります。このトラブルはおなかの赤ちゃんにも悪影響をおよぼします。このような問題を起こさないためにも、セルフケアをしっかり行い、定期的に検診を受けることが重要になるのです。

歯周病の進行段階

進行段階 症状
歯肉炎
歯肉炎とは歯周病になる前の症状で、歯ぐきにのみ炎症が起きている状態です。診断の目安となる歯周ポケットの深さは約3mmです。歯肉炎が起きる仕組みは、歯周ポケットにプラーク(歯垢)が溜まり、そのプラークの中にいる細菌により歯ぐきが炎症するためです。この段階では痛みもないので、症状に気付きにくくそのまま放置してしまうこともあるでしょう。しかし放置すると、症状は歯周炎に進んでしまいます。まずは歯肉炎にならないように日頃から正しいブラッシングを心掛け、定期的に歯科医に通い検診やクリーニングを受けることが重要です。
軽度歯周炎
軽度歯周炎とは歯肉炎がさらに進行し、歯を支える顎の骨が溶け始めた状態です。細菌感染によって歯ぐきが赤く腫れ、歯みがきで出血することも。また冷たい水が染みる場合もあります。歯周ポケットの深さは約4mmとさらに深くなり、プラークや歯石が溜まりやすくなります。
中等度歯周炎
軽度歯周病よりさらに顎の骨が溶け、症状が進行した状態です。歯周ポケットの深さは6mm程度とかなり深くなります。歯ブラシが届かないばかりか、痛みのために満足なブラッシングができない方もいらっしゃいます。口臭も強くなり、歯が浮いたような違和感やぐらつきを覚えることがあります。歯ぐきの腫れがひどくなり、ブヨブヨと膨れ出血がひどくなるといった症状が見られます。症状がひどい場合は、外科手術によって歯ぐきを切開し奥深くに入り込んだ歯石やプラークを取り去る治療が必要になります。
重度歯周炎
重度歯周炎とは顎の骨が3分の2以上溶け、歯のぐらつきもかなり大きくなり食事もままならない状態です。歯ぐきは真っ赤に腫れ上がり、痛みも増え膿や出血がひどくなります。歯周ポケットの深さは8mmにも達し、歯と歯肉の隙間にはプラークや歯石がびっしりついてしまいます。歯ぐきが委縮し下がってしまうために歯が長く見え、歯と歯の隙間も拡がったように見えます。それでも放置してしまうと、やがて歯が支えられなくなり歯を失う原因にもなるので早急に歯科医に相談しましょう。治療にはプラークや歯石の除去から始まり、顎の骨の回復・歯ぐきの再生処置などがあります。

歯周病治療の流れ

1回目の検査

最初に歯周病検査を行い、症状を確認します。

  • 歯と歯ぐきの間の溝の深さを測定(歯周ポケット検査)
  • 歯のグラつきを測定する(歯の揺度検査)
  • 骨の密度を調べる(レントゲン検査)

クリーニング(PMTC)

専用の器具を使ったクリーニング(PMTC)でバイオフィルム(細菌のかたまり)を除去し、歯の表面をツルツルにします。

2回目の検査

1回目の処置後の状態を確認します。症状が安定しているようなら、定期的なクリーニングを行い、歯周病を予防します。ただし、ポケットが深い場合は次の段階へ進みます。

スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

深い歯周ポケット内の歯石や沈着物をきれいにし、歯の根もとのセメント質を除去します。その後、歯根の表面を滑らかに仕上げます。

3回目の検査

2回目の処置後の状態を確認します。症状が安定しているようなら、定期的なクリーニングを行い、歯周病を予防します。さらに深いポケットがある場合は次の段階へ進みます。

歯周外科処置

歯周ポケット掻爬(そうは)術もしくはフラップ手術という、歯周外科処置を行います。

歯周ポケット掻爬(そうは)術
比較的歯周ポケットが浅い場合(4~5mm程度)に行います。麻酔を行い歯周ポケット内部のプラーク・歯石をしっかり掻き出します。
フラップ手術
歯周ポケットが深い場合(6mm以上)に行います。麻酔を行い歯ぐきを切開して歯根を露出させ、プラーク・歯石、さらに感染した歯周組織を除去します。

4回目の検査

3回目の処置後の状態を確認します。この後も定期的(3~6か月に1回)にクリーニングを行い、歯周病を予防します。

歯周外科処置をしても治らないときは

「歯周外科処置までしても治らなかった」「歯周組織を失ってしまった」という場合は、歯周組織を再生させる治療を行います。

GTR エムドゲイン

歯周病が進行すると歯ぐきが下がり、顎の骨が溶けてしまいます。その場合に顎の骨を再生させる治療です。

麻酔をして歯ぐきを切開し、プラークや歯石を除去した後、特殊な人工膜(メンブレン)を設置し、余分な歯肉の侵入を防ぎながら顎の骨の再生を促します。

GTRと同じような処置ですが、動物由来の薬剤(エムドゲイン・ゲル)を使い、余分な歯肉の侵入を防ぎながら顎の骨の再生を促します。

レーザー治療

当院では最新のレーザー治療器を導入しています。
歯周病に対しては、

  • ①従来の機械的なお掃除だけではなく、レーザーによる歯周ポケット内の殺菌ができる
  • ②歯肉の切開等に使用する際には、メスよりも術後の痛みがない
    といった、利点があります。